ヘルニコア(コンドリアーゼ)は、腰椎椎間板ヘルニアに対して日本で開発された新薬です。局所麻酔で椎間板を構成する髄核を融解することで、脱出したヘルニアの圧を下げ疼痛を緩和させるという画期的薬剤です。適応は、適応:内服、神経根ブロックで効果が無かった、後縦靭帯下脱出ヘルニアで、初回ヘルニアのみ使用することができます。

海外では、1982年よりタンパク分解酵素のキモパパインを椎間板の髄核内に直接注入し、椎間板内圧を減少させる椎間板内酵素注入療法(化学的髄核融解術)が実施されていましたが、アナフィラキシーやたんぱく質を分解してしまうため、神経障害や重度の腰痛などの副作用発現により販売中止となっていました。
今回、開発されたコンドリアーゼは、タンパク質を分解せずに椎間板内髄核中の主な保水成分プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカン(主にコンドロイチン硫酸)のみを分解するため安全で、プロテオグリカンの保水能を低下させる特性を有しています。そのため、椎間板内圧が低下しヘルニアによる神経根圧迫が軽減され、臨床症状(下肢痛、腰痛など)が改善します。国内第3相試験では、主要評価項目の最悪時下肢痛の変化量(VAS)などにおいて有意な改善が認められ、有効性と忍容性が確認されました。しかし、脱出が少ないもの、ヘルニアが非連続のものは効果が少なく適応とならないので注意が必要です。東京医大では、発売前より、麻酔科大瀬戸教授による治験も参加しており、整形外科、麻酔科で施行することができます。手術を回避できる可能性がある薬剤としての期待がよせられています。

 

━ 腰椎間板ヘルニアの新しい治療と選択肢 ━ 下記資料をご参照下さい。
『ヘルニコアを用いた化学的髄核融解術(椎間板内酵素注入療法)』(PDF)

 

ヘルニコア治療については下記資料をご参照下さい。
『ヘルニコアの治療を受けられる方へ』(PDF)

 

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脊椎班活動参照

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