現在,関節班に所属する2016年に入局した岩城敬博です.スポーツ外傷手術とサッカードクターの両面で活躍されているスポーツ班の田村先輩よりバトンを頂きましたので,今回担当させていただきます.

私は,2014年に東京医科大学卒業後,当院で初期研修を行いました.研修当初は救急科や一般外科を選択することも考えておりましたが,多発外傷の症例に対して整形の先生達が緊急処置を施す姿や,多種多様でダイナミックかつ繊細な手術によって,患者さんの麻痺や歩容などADLが大きく改善し,満足される姿に魅かれ,いつしか整形外科医局の門を叩いていました.自分は人より色々と回り道をして医師になりましたが,整形外科実習をしていた医学生時代を振り返ると,医局の隅で緊張している変わりものの自分にも興味を持ってくださり,色々な先生が頻繁に声をかけてくださることもあって,大変居心地が良かったことが思い出されます.そうした雰囲気は当時と医局員が変わった今でも受け継がれているものと感じます.

私は,整形外科1年目は本院で各グループをラウンドした後,2年目は熱海所記念病院,3,4年目は戸田中央総合病院と関連病院に勤務,5年目より本院の関節班に所属し,6年目の現在に至ります.また,臨床以外にも自分の大学院の研究テーマである,“骨折治療に有効な電磁場刺激条件”について,ご指導頂きながら基礎実験を重ねる機会を頂いております.2019年の日本整形外科学会総会では,若手としては異例のシンポジストとして発表させて頂き,昨年は同研究内容で院内の学術奨励賞により研究費を頂きました.

シンポ後に指導医先生達と(真ん中筆者)

 

 

 

 

 

 

Web発表中の筆者

 

 

 

 

 

さて,ここで関節班の仕事を少しご紹介します.我々は主に加齢に伴う股関節や膝関節の変性疾患を持つ患者さんに対して人工関節置換術を施し,患者さんが再び痛みなく日常生活を送れるようになることや,旅行や軽い運動などまで楽しむことができるようになることを目指しております.ここは大都会の大学病院ですので,中にはリウマチや血友病など全身性疾患に伴う症例や,骨欠損や変形が強い大変難しい症例なども,少なからず集まってきます.

しかし,日本人工関節学会認定医が5人もいる当院では,そうした難治症例にも立ち向かい,満足した結果を得られるように取り組んでいます.そして自分達若手(?)整形外科医は,一つ一つの症例を大事に,日々手厚い指導のもとで研鑽を積むことが可能となっています.昨年5月には当院に人工関節センターなるものが立ち上がり,関節班は更なる盛り上がりを見せております.

写真(関節センター)

 

写真(紙作図)

 

写真(3D作図)

 

 

これから整形外科を選択しようか悩んでいる研修医の先生,既に関節外科を選択することを決めたぞという猛者の先生方も,是非当科の見学に足を運んで頂けたらと思います.